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税理士田中先生のワンポイントアドバイス
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(2024年11月30日掲載)
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(2024年11月30日掲載)
決算に関して特にこの時期多くいただくご質問は、減価償却費と固定資産についてのご質問なんです。特に初めて決算事務をされる方にとっては、固定資産の登録から費用計上までの流れが掴みにくく、とても難しく感じられるようです。
そうですね。実際に減価償却に関する業務では、経理特有の用語が多数出てくるうえ、計算も複雑とあって個人事業の方にとっては大変な作業ですね。
ええ、実際には初年度に適切な登録さえしてしまえば、2年目からは「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」の操作はとてもシンプルになります。でも、最初に登録が必要な項目が多いので、初年度はゴールにたどり着くまでに大変苦労される方が多いのが実情です。
減価償却の計算に必要な項目は、とても多いですから無理もありませんね。このサイトでも、ちゃんと説明しようとするとごく単純な例ですら1回で説明しきれないくらいのボリュームがあります。では、まずは基本からお話ししてゆきましょう。
お願いします。
まず固定資産とは、長期にわたって利用される事業用の資産のことです。長期とは、複数の会計期間にまたがることを言います。そのため、固定資産は取得した会計期間に全部を経費としてしまうのではなく、その期間に使った分だけを計算して費用化してゆくという特徴があります。
つまり、取得した時点では資産として扱い、その価値の一部を毎期の決算で少しずつ費用として計上してゆくにつれて、資産の価値は、使った分ずつ減ってゆく、というしくみですね。
そう、その費用化するしくみのことを「減価償却」といい、費用化するときに使う勘定科目を「減価償却費」というんですよ。
では、減価償却費を計算するには、基になる資産の価値を明確にしなければなりませんね。
そのとおり。帳簿上に存在しない資産の償却はできないですからね。
固定資産なのか費用なのかはどこで判断すればよいのでしょう。
10万円未満であれば、「消耗品費」などの費用で計上できるけれど、10万円以上のものであれば資産となる可能性が高いですね。
では固定資産であるとした場合、具体的にはどのように計上すればよいのですか?
すでに前年度の決算書にこれらの資産が計上されているならば、扱いは簡単です。「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」の開始残高登録でそのとおりに金額を入力してゆけばいいんですよ。
でも開業初年度の方はどうしますか?例えば今まで個人で所有していた資産を固定資産として計上するには?
金額は、買ったときの金額ではありませんよね。例えば3年前に買った車なら買ったときより価値が減っているはずですから。
そう。だから開業時点の資産の価値として妥当な金額を見積もらなくてはならない。これは個別に税務署や税理士などに尋ねたほうが安心だ。用意するものは購入時の証憑だ。いつ、いくらで購入したものかがわかる資料を持って相談しよう。
よくわかりました。では、別の例で教えてください。その会計期間の途中で購入した資産についてはどうすればよいのでしょうか。
しつこくってすみませんが、もう少し教えてください。去年まで簡易帳簿で貸借対照表を作成されなかった方などで開始残高登録に固定資産が登録されていない方はどうしますか?
今回の決算が開始残高初年度と考えて、固定資産の開始残高も登録するようにしましょう。開業時点で個人資産を計上するときと同様、買ったときの金額ではなくて、1月1日時点の帳簿価額で計上するのがポイントとなります。それから、追加計上した固定資産の分だけ元入金も増加していることを忘れずに。元入金も同じ額を加算しないと貸借対照表がバランスしなくなるから注意が必要だ。
(2024年11月30日掲載)
(2024年11月30日掲載)