経理・法律に関する情報
税理士田中先生のワンポイントアドバイス
令和6年度税制改正後の「中小企業法人向け賃上げ促進税制」1/2回令和6年度税制改正後の「中小企業法人向け賃上げ促進税制」2/2回
(2024年11月30日掲載)
ご存知ですか?この情報
輸入代行業者へ依頼した場合の消費税の取り扱い相続時精算課税制度に創設された年間110万円の基礎控除
(2024年11月30日掲載)
ところで、今年が開業初年度という事業者の場合、開業前に支払った費用は、経費になりますか?
最終的には経費になりますが、開業費としていったん繰延資産に計上します。
記帳方法を教えていただけますか?
まず、支払った費用は2つに分けられます。それによって処理が違うから注意してください。ひとつは、開業のために費やした費用、もう一つはそれ以外の必要経費です。
開業費の具体的な例を教えていただけますか?
具体的には、新規開業の宣伝費(開業広告のチラシ、案内状、ポスターなどの製作や配布の費用)、接待費(飲食店などでオープン前日に関係者を招いて接待した場合など)、研修費などです。
これらの費用はどのように記録すればよろしいんでしょうか。
多くの場合は事業主が立替え払いの形をとると思いますので、その場合は振替伝票からしか入力ができません。「伝票入力/訂正」から次のように入力します。
【仕訳例48】11月1日開業の青申太郎氏は、渋谷プリンティングに開業案内のハガキ作成を依頼し10月12日に品物を受け取って代金15,000円をポケットマネーで支払った。
開業前に支払った費用でも、伝票日付は開業日にします。摘要には、支払先・購入品目(支払理由)・支払日を記入します。領収証は後から照合がしやすいよう入力した順番に整理保存します。領収証をもらうときは、宛先や品目をきちんとお店に記入してもらうようにしましょう。領収証として使えるレシートの場合はそれを保管します。
貸方の「事業主借」は見慣れない科目ですが、何をあらわすのでしょう?
「事業主借」勘定は、事業主が事業に支出したことを示す勘定科目です。
事業主のプライベートなお金 → 事業のお金
この方向でお金が移動したら、それは「貸方に事業主借」です。
逆に生活費などを引き出して
事業のお金 → 事業主のプライベートなお金
の方向でお金が移動したら、「借方に事業主貸」と覚えておくといいですよ。
「事業主借」「事業主貸」は現金や必要経費とは性質が違う科目ですよね?
そう、事業主勘定は、「元入金」の仲間なんですよ。つまり、事業主のプライベートなお金と事業のお金は「元入金」、要は元手で繋がっているんですね。元入金については、決算のときもう一度説明する機会があると思います。
ところで開業のための支払いは沢山あるので、いちいち入力するのが面倒ですが、複数の支払いを合計して1つの仕訳にしてもよいのでしょうか。
それはいけません。取引ごとに伝票を切るようにしてください。これは開業費だけでなくすべての取引に共通する記帳のルールです。
開業費にならないものもありますか?
開業日以降に生じた必要経費は開業費にはなりません。必要経費として該当する費用科目に計上します。
わかりました。
(2024年11月30日掲載)
(2024年11月30日掲載)