青色申告ソフト青色申告の基礎知識や帳簿作成などについて実践的な内容をご案内するコーナー青色申告の基礎知識(青色申告ガイダンス)

売上のつけ方

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売上の計上方法は、代金を支払ってもらうタイミングによって記帳の方法が若干違ってきます。最も単純なのは、現金と引き換えに商品を売った「現金売上」で、売ったときに一回記帳すればその取引に関する記帳は完了です。しかし、品物を先に納めて代金を後から支払ってもらう「掛け売上」では、商品納品時と代金回収時の2度記帳しなければなりません。

ここでは、いくつか代表的な具体例を挙げて説明したいと思います。

【仕訳例38】現金売上

【現金出納帳】現金
日付/番号 コード 相手科目 摘要 入金 出金
R1/12/14 2000 売上高 現金売上 22,000
現金 38

現金を受け取る取引なので、「現金出納帳」から入力します。相手科目は「売上高」です。

【仕訳例39】代金前払いで銀行振込してもらい、入金確認後商品を即時発送

【預金出納帳】普通預金-いろは銀行(入)
日付/番号 コード 相手科目 摘要 預入 引出
R1/12/14 2000 売上高 商品代金入金 33,000
預金 39

通信販売などでよくあるケースです。口座に振り込まれるので、この取引は預金出納帳から入力します。

代金前受けですが、すぐに商品を発送する場合はいちいち前受金としないで入金ベースで処理するのが楽です。そこで相手科目は「売上高」とします。

前受金勘定の管理をしないので事務作業の負担がその分軽くなりますが、決算のときに入金済みで未発送の商品があった場合は少し注意が必要です。そのような場合は決算日の整理仕訳として前受分を計上します。

【仕訳例40】納品は随時行い、月締め請求して代金は後日回収

【売掛帳】売掛金-乙商店
日付/番号 コード 相手科目 摘要 売上 回収
R1/12/14 2000 売上高 12月分請求 55,000
売掛 40

掛け売上の場合には、上記のように売掛帳を使って入力します。売上を計上するタイミング(伝票日付)は、納品の日付とする場合と、請求の日付とする場合があります。納品の日付で計上するほうがより細かく詳細に記帳できますが、事務の作業量もそれに応じて増大します。会計帳簿は、詳細であるに越したことはありませんが、事務作業が追いつかず、結果的に不正確な内容になってしまっては本末転倒です。取引量と事務処理能力とをよく比較検討して現実的な処理方法を社内ルールとして決めておくことが重要です。

締め請求の場合で、締日(請求書発行日)に売上を立てる方法は入金のチェックもしやすく便利な方法ですが、決算のときには少し注意が必要です。決算日時点で納品済みで未請求のものを売上に忘れずに計上しましょう。これも決算のテーマでお話しするときあらためて取り上げます。

【仕訳例41】代金引換便で商品を発送

【売掛帳】売掛金-シロネコ運輸
日付/番号 コード 相手科目 摘要 売上 回収
R1/12/14 2000 売上高 商品代引発送 67,100
売掛 41

この場合は、宅配業者から代金が振り込まれてくるまでに時間がかかります。このような取引も売掛帳を使って管理すると便利です。代金引換の場合は、注文者ではなく、宅配業者を売掛金勘定の補助科目として登録して管理します。注文者のお名前と送り状の番号を摘要に入力しておくと後で照合するとき役立ちます。

上記の例では、「シロネコ運輸」という運送業者の売掛帳に記帳しています。送料や代金引換手数料がお客様負担の場合、それらを加えた額で計上する方法と加えない額で計上する方法がありますが、ここでは加えた額で計上しておきます。

【仕訳例42】クレジット決済で商品を発送

【売掛帳】売掛金-WISAカード
日付/番号 コード 相手科目 摘要 売上 回収
R1/12/14 2000 売上高 商品発送 77,000
売掛 42

この場合も、クレジット会社から代金が振り込まれてくるまでに時間がかかります。これも前述の代金引換と同様に売掛帳で管理します。補助科目には、クレジット会社を登録します。

ところで、サービス業など、物品の販売を伴わない業種で、収入を「報酬」という形で受け取っている場合でも、「売上高」という勘定名称で記帳して差し支えありません。個人の青色申告の場合、税務署の青色申告決算書様式にはあらかじめ売上高の金額欄に「売上(収入)金額」と印刷されています。

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