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(2024年8月30日掲載)
先生、以前のお話で、青色申告をするには承認申請書を提出しなければならないということをお話いただきました。今回はその具体的な手続きについて教えていただけますか。
いいですよ。青色申告者になるには、「青色申告の承認申請手続」をしなければなりません。この書類は、青色申告する年の3月15日までに、通常は住所地を管轄する税務署(「所轄税務署」という)の署長に提出します。
なお、その年の1月16日以後に新たに開業した事業者の場合には、開業の日から2か月以内に申請すれば大丈夫です。
青色申告事業者となるためには、「青色申告承認申請書」の提出は絶対条件だから注意が必要です。くれぐれも忘れないように。
用紙は税務署に行ってもらってくるんですね。
そうです。または、国税庁のホームページ > 税の情報・手続・用紙 > 申告手続・用紙 > 申告・申請・届出等、用紙(手続の案内・様式) > 税務手続の案内(税目別一覧) > 申告所得税関係 > [手続名]所得税の青色申告承認申請手続(注)からPDF形式でダウンロードすることもできます。
(注)国税庁のホームページのリンク先は変更されることもあります。リンク先のページが表示されない場合は、検索サイトから「青色申告承認申請書」で検索してみてください。
「税の情報・手続・用紙」にはこの書式だけでなく、各種届出書が用意されているから時間の余裕がない人でも事前に書類が入手できるので便利です。初めての人でも困らないように書き方の手引きが添えられていることが多いし、多いに活用したいですね。
開業されたばかりだと、6その他参考事項の「(1)簿記方式」「(2)備付帳簿名」の欄で何を選べばよいのか迷われる方が多いようですが、その点についてはどのようにすればよいのでしょうか。
簿記方式は、「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」のような複式簿記対応の会計ソフトで帳簿付けをするなら「複式簿記」にマルをつけます。出納帳や経費帳などを使って手書きで記帳するなら「簡易簿記」にマルをします。
6の(2)備付帳簿名は、実際に記帳する帳簿にマルをつけます。例えば「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」を使うなら、総勘定元帳・仕訳帳・固定資産台帳にマルをつけ、さらに掛け取引がある事業なら補助簿として売掛帳・買掛帳にマルをつけるとよいでしょう。
もちろん、マルを付けた帳簿は記帳しなければいけないわけですよね。
そう、単に会計ソフトに取引を入力するだけでなく、これらの帳簿は決算までに印刷してファイリングし、大切に保存しなければなりません。保存期間は7年間(一部5年間)です。
他の、現金出納帳や預金出納帳、経費帳、入金伝票、出金伝票、振替伝票にはマルがついていませんが、いいんですか?
これらの帳簿は内容が総勘定元帳や仕訳帳と重なっているので、今回はマルをつけませんでした。印刷して備え付けなくても同じ内容の帳簿があるからね。でも、「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」で印刷できる帳簿だからもちろん備え付けていけないというわけではないですよ。
ただし経費帳だけは「わくわく青色申告」や「わくわく財務会計」には機能がありません。これは「総勘定元帳」「補助元帳」が作成できるため、簡易式の経費帳は実質不要だからです。
そうですね、経費帳はもともと手書きの簡易簿記で使うことを想定した帳簿だからね。複式簿記の会計ソフトで元帳が印刷できる場合は不要でしょう。
すべて現金取引なら売掛帳や買掛帳は必要ありませんね?
もちろん、そうです。また事業用の固定資産がなければ固定資産台帳もいりません。このあたりはごく普通に考えて判断してもらえばいいでしょう。
国税庁 税の情報・手続・用紙:https://www.nta.go.jp/taxes/index.htm
国税庁 申告所得税関係:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/mokuji.htm
(2024年8月30日掲載)
(2024年8月30日掲載)