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税理士田中先生のワンポイントアドバイス
健康診断・人間ドック費用の取り扱い休職する役員の報酬の引き下げ
(2026年6月30日掲載)
ご存知ですか?この情報
外貨から別の外貨への交換で生じた為替差益の課税外国との取引でよくある源泉徴収漏れ
(2026年6月30日掲載)
2026年7月掲載
最高裁判所は、令和8年6月16日、保有する外貨を別の外貨に交換したり、外貨で同じ通貨建ての有価証券(外国株など)を取得したりした時点で生じる「為替差益」について、日本円に戻していなくても所得税の課税対象になるとの判断を示しました。
この最高裁の判断のポイントは、外貨を別の外貨や別の資産に交換した時点で、含み益があれば実現したものとして課税する、という点にあります。
日本の円に戻すまでは課税されない、と考えていた方も多いのですが、その考えは今回の最高裁判決で完全に否定されました。国税当局が従来から課税対象であるとしていた見解に、最高裁のお墨付きが得られたと言えます。
個人の為替差損益は、外貨を保有しているだけでは課税されません。その外貨を使って別の資産を手に入れた時点で、それまでの含み益が実現したものとして課税されることになります。
例えば、1ドル150円で取得した外貨を、1ドル160円のときに別の外貨や金融商品へ交換すれば、その差額が為替差益となります。この為替差益は原則として雑所得に区分され、総合課税となります。
国税庁の質疑応答事例を見ると、「外貨預金を払い出して外貨建てMMFを購入した場合や、保有する外貨を他の外貨へ交換した場合は、その時点で為替差益を所得として認識すること」と書かれています。
これまでは、個人の投資での為替差益が税務調査で指摘されることはまずありませんでした。しかしこの度、最高裁の判断が示されたことで、国税当局の対応が変わる可能性も否定できません。外貨の保有残や外国株などの売買履歴といったデータから、為替差益の申告漏れを把握することは容易だからです。
税理士 田中利征
年々増大している海外との取引ですが、税務上の間違いや勘違いもよく見かけます。外国人や海外に住んでいる人は日本の税金はかからないはず、と思い込んでいるため、日本での所得税の源泉徴収漏れは特に多いように感じます。また、法人に対する支払いでは源泉徴収という考えがあまりないのですが、外国法人に対して支払いを行う場合には、不動産の賃料やロイヤルティといった支払いが源泉徴収の対象となる場合があります。
支払い先が「非居住者」に該当し、かつ、その支払が日本国内で行った役務提供に対する報酬や、役員報酬・使用料などのうち国内源泉所得に当たるものは、源泉徴収の対象となる可能性があります。
「国内源泉所得」に当たる場合には、原則として20.42%の源泉徴収が必要となります。つまり、国内居住者に対する源泉徴収額の2倍の金額を徴収することになります。
なお、日本に一定期間滞在していても、非居住者と判定されることもあります。生活の本拠が一貫して海外にあり、日本での滞在が短期・一時的なものにとどまる場合には、非居住者と判定されることは珍しくありません。実際の判定は、住居、職業、資産の所在、家族の居住状況などを考慮して、総合的に判断されることになります。
税務調査において源泉徴収漏れが指摘された場合、本来相手方が負担すべき税金を、支払側が肩代わりして納付することになります。さらに、不納付加算税および延滞税が加算されるので納付額は本税を大きく超えることになります。
最後に、源泉徴収の対象となる支払いであった場合には、租税条約で源泉徴収税率の減免があるかどうかの確認を行う必要があります。租税条約には、多くの場合で一定の所得について源泉徴収税率の減免の規定が設けられているからです。
例えば、日米租税条約では使用料に関して免税と規定されており、税負担の観点からは租税条約を適用し、所定の手続きを踏んで免税として処理すべきです。
税理士 田中利征
(2026年6月30日掲載)
(2026年6月30日掲載)