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令和6年度税制改正後の「中小企業法人向け賃上げ促進税制」1/2回

掲載日2024年11月30日

中小企業向けの「賃上げ促進税制」とは、一定の要件を満たす青色申告中小企業者等が、前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税から税額控除できる制度のことです。令和6年度税制改正においてより一層強化拡充された本制度について、今回と次回の2回でそのポイントを解説していきます。

適用対象となる中小企業

賃上げ促進税制の適用対象となる中小企業は、以下の要件を満たす企業です。

資本金の額または出資金の額(以下「資本金等の額」という)、従業員数の要件は以下のとおりです。

(1)資本金等の額が1億円以下の法人
(2)資本又は出資を有しない法人の内常時使用する従業員数が1,000人以下の法人

なお、資本金等の額が1億円以下でも、以下に該当すると本制度の対象とはなりません。

①同一の大規模法人(注)から2分の1以上の出資を受ける法人
②2以上の大規模法人(注)から3分の2以上の出資を受ける法人
③前3事業年度の所得金額の平均額等が15億円を超える法人

(注)大規模法人とは、資本金等の額が1億円超の法人、資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金等の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

賃上げ促進税制の適用となる事業年度が終了する時点で要件を満たしていない場合、対象法人と認められません。

適用要件と税額控除額(1/2回)

賃上げ促進税制を利用するための適用要件とその税額控除額は以下のとおりです。

通常要件と税額控除額

雇用者給与等支給額が前年度と比較した時に1.5%以上増加していることが要件とされ、控除対象雇用者給与等支給増加額の15%を法人税額から控除することができます。

なお、国内での雇用者に対する給与等のみが対象となり、役員及び役員の特殊関係者等は対象外となります。

増加の割合は次の計算式で求めます。
「(雇用者給与等支給額(※1)− 比較雇用者給与等支給額(※2))÷ 比較雇用者給与等支給額」

※1雇用者給与等支給額
賃上げ促進税制を利用する事業年度で従業員に支給した給与等の支給額の合計額

※2比較雇用者給与等支給額
前事業年度における雇用者給与等支給額

次回は税額控除が上乗せとなる要件とその税額控除額、賃上げ促進税制のメリットについてみていきます。

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